中学2年生とAED講習会 

ずいぶん久しぶりの投稿になってしまいました。

丹波市の中学生は、2年生の時心臓マッサージとAEDの使い方の講習会を受けます。丹波市と丹波市医師会・歯科医師会、薬剤師会、看護協会、消防本部・消防団、ボランティアの協力で行われており、わたしは昨年に引き続き春日中、柏原中、山南中の講習会のお手伝いをしました。

とてもよい体験だと思います。日々「自分の目の前でだれかが意識をなくすかもしれない」ということを想像して生活している人はいないでしょう。この講習会で「自分も遭遇するかもしれない」と自分事として考えるきっかけとなってくれたらうれしいです。そして、遭遇した時に自分はどうしたらいいかという知識を得られるし、実際に心臓マッサージをしてAEDを使ってみることで手技を覚えられます。

一番体験してほしいことは、倒れている人を見つけた時すぐに駆け寄って「大丈夫ですか?」と声をかけることです。それが一番勇気のいることだし、なによりも大切なことだとわたしは思います。

実際に目の前で人が倒れたら、怖くて体がすくんで動けなくなるかもしれないし、誰か行ってあげて!と逃げたくなるかも。講習会で友達を前にして、人形相手に声をだすことがとても恥ずかしいこともわかります。でもこの実習が、いざという時勇気をふりしぼって声をかけるきっかけになればとてもうれしいです。過去に実際、講習をうけた生徒が、意識をなくした家族に心臓マッサージをして救命したという事例もあります。

山南中の講習会ではわたしがディレクターをさせていただきました。実はわたしはAEDを使う場面に遭遇したことはありません。なので、インストラクターとして来てくださった松下泌尿器科医院の松下先生にご自身の体験談をしていただきました。すぐに、正しい手順で行っても「残念ながら救命できなかった」という話は、こどもたちにとって今からすることは現実の命に係わる行為なのだということを思い知ることができたと思います。

実技練習を始めると、みんなインストラクターの先生方の指導の下、一生懸命集中して練習していました。声をだして、汗をかいて、楽しそう。手技は大事だけれど、休みなく、心臓マッサージを続けるという体力もとても大切です。そのためにマンパワーは欠かせません。

手技は今回1回で自信をもつまでには至らないでしょう。今回の講習はきっかけにすぎません。その日、家での会話に今日行ったAED講習会の話がのぼっていたらよいなと思います。お家の人で一般講習で1回は習ったことある人もいらっしゃるでしょう。でも、すぐに手技は忘れて、責任が重いという記憶だけが残っている人も多いと思います。自分の身近なAEDはチェックしておく、時々手技を思い出す、機会があれば再度講習会に参加するなど、自分事として考えてもらえたらうれしいです。

大勢の人が勇気と知識と力を持ち寄れば助かる命はたくさんあります。