はじめに

 今から71年前。
 祖父が聴診器1本で診療所をオープンしました。
 今から35年前。
 みなさんがよく知っていた3代目の診療所が建ちました。その時わたしは小学校1年生。待合室からナースステーションに通じるドアができました。祖父や父にみつからずにナースステーションに入ることができるところがわたしのお気に入りで、みんなの働く様子を飽きず眺めていました。
 今から10年前。
 わたしは週1回この中川内科医院で働くようになりました。その頃わたしはまだ子どももいなくて、それまでは大人の患者さんとしか接したことがなかったので、子どもが来たら実は内心どきどきでした。忘れもしません。初めての子どもの患者さんは新生児の便秘でした。まだ生きていた祖父に、教えを乞いに中座しました。
 今から9年前。
 長女が生まれて、子どもの扱い方に随分慣れました。そして、お母さんたちが何を不安に思って、医師として何を伝えていけばいいのかわかってきました。
 そして始まったのが、丹波新聞で連載中の「ママちゃん先生の診察室から」です。それに加えて、伝えきれなかった知ってほしいこと、わたしが今話したいことなんかをこのブログに載せていきたいと思います。 
 今年。
 令和元年の年の暮れに新しい診療所をオープンしました。これからもこの診療所でみなさんのかかりつけ医としてお役にたちたいと思っています。
1948年 中川内科医院開院