きらきら

丹波新聞「ママちゃん先生の診察室から」より

2018年9月16日掲載

きらきら


ママさんオーケストラのコンサートを聴きに行った。それは一風変わったオーケストラで、観客のみならず奏者も子連れOKだった。子供を背負ってマリンバを演奏する人。自分もドレスアップして、演奏するお母さんの椅子の後ろに立っている子供。そして観客席もパパに連れられた子供、子供、子供。演奏中も、決して静かではない。けれども、舞台も客席も一体となった熱気を感じる。みんな自分のママのかっこいい姿を見ることに集中している。演奏が終わったママたちもきらきらの笑顔だった。

 帰り道、「ママもね、お仕事してる姿、かっこいいんだよね~!」子供たちが言ってくれた。

 夏休みや冬休み、丹波に子供を連れて行くことがある。子供が診療所に遊びに来ることは禁止しているが、実は引き戸をほんの少し開けてこっそり見ているという。「ママが患者さんと話す元気な声が聞こえると、もうちょっと見たくなってだんだん戸が開いちゃうの。」わたしが気づく時には、二つの頭が縦に並んですっかり見えている。気づいた患者さんも笑っている。
 わたしがやりたくてしている仕事を、子供たちがかっこいいと思ってくれているのはとても幸せだ。いつか子供たちに追い越される日まで、わたしはきらきらの背中を見せながら子供の前をずんずん歩く。