ふたたび さだまさし

 以前、丹波新聞のエッセイにさだまさしさんが好きだという話を書いたのだけれど、最近ますますその熱が高まっています。

早稲田大学には「さだまさし研究会」通称「さだ研」があります。テレビを見ていた時、そこの副部長の女子学生(20)が「さださんを神とか天才と思わないようにしている。人生の先達と思い一歩でも近づけるようにわたし自身日々精進している」ときらきらした目で語っていたのです。

わたしもさだまさしが好きだけど、この女子学生さんより好きがずっと足りてないと思ったわたしは、生来調べ学習が好きなことも高じてさださんの著作物を読み漁り、そしてこの女子学生さんに激しく同意するに至ったのでした。

さださんの魅力は、使う言葉が端正で美しいことです。そして、なによりも大きな愛とユーモア。どれだけの人や場所を愛し、愛されているのでしょう。たくさんの人とつながり、そこから発生する出来事は奇跡のように感じるけれど、その奇跡はさださんの求心力そのものなのだと思います。

そしてもしかして、さださんだけは1日が48時間あるのではと思ってしまうほどの行動力。2020年は新型コロナ感染症で何もかもが延期・中止され先が見えなかったり立ち行かなくなったことが多い年でしたが、そんな年だからこそと精力的に活動され、CD・書籍の発売、感染対策を行ったうえでのライブの開催を行いました。これは、この状況でもライブは開催できるということの証明となり、ミュージシャン仲間を勇気づけそれこそライブ再開の先達となりました。

また「風に立つライオン」基金では、どのように感染対策をしたらよいか正しい知識がなくて困っている福祉施設に正しい感染対策を伝える人を派遣したり、感染予防グッズを贈ったりと活動されていました。

この風に立つライオンの基本理念は「力があるやつは力をだせ 知恵があるなら知恵をだせ お金があるならお金をだせ 何もないヤツは歌え」というさださんの歌う歌詞に象徴されています。

かつてわたしも通い、今娘たちが通う小学校でも「自分の務めを一生懸命にはたす」ということをとても大切にしています。そしてそれはわたしの体に根付いています。さださんのように大きなことはできなくても、わたしはわたしのなすべきことを一生懸命はたし、それが誰かの助けになればうれしい。

先日、ラジオから聞こえてきた道化師のソネットのイントロに、完璧なタイミングで「笑ってよ~君のために」と合わせた9歳の次女は、わたしのさだまさし英才教育のたまものです。