足のむくみは心臓が悪いせい?

 

立ちっぱなしや座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢を取り続けていると足がむくむ、ということを経験則的に知っている人も多いでしょう。こうしたむくみは加齢とともに起こりやすくなります。では、高齢者の足のむくみはどうして起こるのでしょうか?

むくみは、血液のめぐりが悪くなるためにおこります。まず考えられるのは、心不全という心臓の病気で、これは治療が必要です。足のむくみだけではなく、息切れや脈の乱れなどもみられることも多いです。

でも足のむくみは、実は、心臓が原因にならない人のほうが圧倒的に多いのです。

足のむくみは、足の筋肉量や皮膚の張りが減って、静脈血を上に押し上げる(心臓に戻す)働きが弱くなっている上に、日中座っている時間が多い人たちにおきやすいことがわかっています。下肢に現れやすいのは、重力によって水分が身体の下の方に溜まりやすくなるためで、いわば、本来尿として排出されるべき水分を日中足の細胞組織にどんどん貯蔵しているのです。そして、夜になり横になるとじわじわと血管内にもどり腎臓に運ばれじゃんじゃん尿を生成します。これが、足のむくむ人が日中の排尿回数が少なく、夜間尿の多い理由です。

では、どうしたら足のむくみを防止できるでしょうか?

それは、ふくらはぎをしめつけることとしっかり動かすことにつきます。そのために、着圧ハイソックスは効果的です。わたしは診察の時は年中着圧ハイソックスをはいています。そして、足首を回す運動はふくらはぎの腓腹筋を動かすためにとても効果的です。立ってかかとを上げ下げする運動は腓腹筋が鍛えられます。座ったままでもいいので、つま先をたてる、そらすという動きを繰り返すのもよいでしょう。どれも地味な運動ですが、真剣にすると結構ふくらはぎが疲れます。これがよいのです。

これを毎日左右10回ずつ一日3回繰り返すと、足のむくみはましになります!

継続は力なり。ぜひやってみてください。